『「クラリスロマイシン【内服薬】」を「好中球性炎症性気道疾患」に対して処方 ..
これらの薬は、症状や重症度に応じて単独または組み合わせて使用します。喘息であれば、気管支拡張剤が比較的効果があるので、その反応性をみて判断していきます。抗ロイコトリエン拮抗剤(キプレス、シングレア、オノン、成分名ではモンテルカスト、プランルカスト)は使い始めて2~4週間ぐらいで効果を発揮するので、長めに内服することがオススメです。
専門的な検査機器があれば診断ができますが、当院ではありません。診断の目安としては、「喘息の治療に反応するかどうか」こちらが大事なので、あまりにも治りが悪い咳には喘息の治療をためすことも大事です。
薬の副作用としての咳も、慢性咳嗽の原因として考慮する必要があります。原因となる薬剤は高血圧治療薬が多く、その代表的な薬剤がアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬です。ACE阻害薬による咳は典型的な乾性咳嗽で、咽頭のかゆみや引っかかれる感じを伴うことがあります。咳は最初の服用から数時間以内に起こることが多いですが、ときに数カ月経過してから出現することもあります。長期間内服している人でも咳が出現した場合には一度服用を中止します。通常は服用中止後1~4週間で軽快しますが、なかには中止後3カ月以上かかることもあり、注意深く診断する必要があります。
ACE阻害薬による咳の頻度は報告によって0.7~53%と幅広いのですが、欧米人に比べてアジア人ではその頻度が高いことが知られています。咳が出現するメカニズムとして、本来ACEにより分解される咳嗽誘発前駆物質であるブラジキニンやサブスタンスP、あるいはブラジキニンにより刺激されたプロスタグランジンが肺や上気道に蓄積し、咳を誘発することが考えられています。
最近、ACE阻害薬の副作用の出方はその人の体質(遺伝子型)で決まっていることがわかってきました。ACEは血圧の調節に関与する酵素で、その遺伝子にはII型、ID型、DD型という3つの型があります。その中で、遺伝子型IIの人はACEレベルがもっとも低く、ACE阻害薬の副作用の影響が出やすいと考えられています。日本の研究でも、高血圧や心不全でACE阻害薬内服中の患者さんにおいて、遺伝子型Ⅱの患者さんに咳の副作用が高頻度に出現していることが報告されています。
他の薬剤では、βブロッカーの使用で気道が攣縮し、慢性咳嗽の原因となる場合があります。
ただし、前述の様に痙攣性の咳発作は成人では認められないことが多い。 ..
☑ シタフロキサシン:シタフロキサシン®
ニューキノロン系の抗菌薬です。
下痢、軟便、発疹、めまい、頭痛、腹部膨満感、便秘、消化不良、吐き気、口内炎などの副作用があります。
●海外で大動脈瘤・大動脈解離との関連性が示唆されました。患者さんご本人またはご家族が、大動脈瘤・大動脈解離を患ったことがある場合は主治医または薬剤師にご相談下さい。
長引く咳で悩んでいる方は少なくありません。上記の検査や治療を組み合わせて、少しでも過ごしやすくできるように努めていきます。咳でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
長引く咳の中には、咳喘息と呼ばれる状態が隠れていることがあります。典型的な喘息の発作(ゼーゼー、ヒューヒュー)があった場合には診断しやすいですが、それらがないにも関わらず喘息の病態が存在するのが「咳喘息」です。カゼの治療や、マイコプラズマなどを考えた治療を行っても改善がなく、慢性的な咳症状が続くときに「咳喘息」を考えます。
GERDで食道下端部に存在する迷走神経が刺激され、中枢を介して反射性に気道に分布する迷走神経を刺激することで起こり、下部食道括約筋の一過性弛緩によると考えられています。昼間に座位で生じやすい。酸逆流量は少なく、食道症状を伴いにくい。
GERDに伴う乾性咳嗽の治療は、作用が強力なプロトンポンプ阻害薬が第一選択となります。食道症状は数日で改善することが多いですが、咳の改善には2~3カ月を要することがあります。
慢性咳嗽と閉塞性睡眠時無呼吸との関連も報告されています。そのメカニズムとして、経横隔膜圧(横隔膜機能の評価方法の1つ)上昇による胃食道逆流、扁桃腫大さらに上下気道の好中球性炎症、咽喉頭咳嗽反射の亢進などの関与が推測されています。アメリカでの報告によると、慢性咳嗽を主訴に受診した患者さんの44%に閉塞性睡眠時無呼吸が認められたとされます。
咳や痰が1か月以上続く。微熱があり体もだるい……。そんな症状があっ ..
鼻・副鼻腔疾患も慢性咳嗽の原因になります。欧米では喘息と鼻水が喉に落ちる後鼻漏が慢性咳嗽の重要な原因とされています。後鼻漏は慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎によって引き起こされますが、慢性咳嗽の原因としては慢性副鼻腔炎による後鼻漏が多く見られます。鼻や副鼻腔、咽頭には咳嗽反射の受容体が存在しており、鼻水がそこを直接刺激することで咳が出ると考えられます。また、気道全体の粘液繊毛輸送能や局所免疫の異常から来る上下気道の慢性好中球性炎症も咳の原因になります。とくに喀痰や鼻汁中に好中球が認められる場合にはマクロライド系抗生剤が用いられ、その臨床効果は多くの場合、2~3カ月以内に得られます。
慢性咳嗽の原因として、胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)も見逃せません。GERDとは、胃酸や胃内容物が胃から食道に逆流することによって何らかの症状が惹起された場合をいいます。欧米に比べて日本の発生頻度は低かったのですが、1990年代末から増加しており、その背景には高齢人口の増加、食生活の欧米化、ピロリ菌感染の減少、内視鏡機器と診断技術の進歩などがあると考えられています。酸逆流による定型的な症状としては胸やけやゲップがありますが、それ以外にも慢性咳嗽・喘息症状(呼吸器科)、咽頭炎・喉の違和感・嗄声(耳鼻咽喉科)、不眠・不安・うつ(精神神経科)、狭心症様症状・胸痛(循環器科)、胸やけ・胸痛・背部痛(整形外科)など、各科にまたがった多彩な症状が見られます。
なぜGERDで咳が出現するのかについては、次の2つの可能性が指摘されています。
クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」(一般名:クラリスロマイシン錠) ..
咳を抑える薬として、メジコン、アスベリンといった咳止めのお薬を使用します。しかし、全国的に不足していることから、処方箋を薬局にもっていっても在庫不足でもらえないことも最近はふえています。成人の方限定ですが、コデインリン酸塩といったお薬も選択枝に上がります。
なかでも、クラリスロマイシンやアジスロマイシンが処方されることが一般的です。 ..
<基本の治療法>
・肺マック症
クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの3剤の内服薬に加えて、病状の程度や症状の強い方にはアミカシン(アミノグリコシド)の点滴を行っています。
・肺アブセッサス症
有効な内服薬が少ないため、数種類の内服薬に加えて、アミカシン、イミペネム/シラスタチンなどの点滴治療を行います。
最近、遺伝子解析などにより、より細かくⅰ)アブセッサス・マシリエンゼ、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティの3種類に分類できるようになってきています。ⅰ)アブセッサス・マシリエンゼでは通常クラリスロマイシンが有効であるのに対して、ⅱ)アブセッサス・アブセッサス、ⅲ)アブセッサス・ボレッティではクラリスロマイシンが効きにくいことが多いため、退院後も点滴抗菌薬を継続することがあります。
数日後、せき(通常、初めはたんがからまない乾いたせき)が出始めます。 ..
喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎などで共通するのは、好酸球性気道炎症を特徴とする慢性咳嗽であることです。
咳喘息は前述したように喘鳴や呼吸困難を伴わず、慢性咳嗽が唯一の症状でありながら気道過敏性が亢進し、気管支拡張薬が有効な喘息の亜型です。咳喘息は喘息の早い時期を診ているという考え方もありますが、長期間咳喘息のままで経過する人もいます。複数の吸入アレルゲンに感作されている人や、吸入ステロイド薬の導入までに時間を要した人が典型的な喘息への移行リスクが高いとの報告があります。そういう意味では早期診断・早期治療が重要です。
アトピー咳嗽と非喘息性好酸球性気管支炎は、病理学的には気管支喘息と同様に、喀痰中に好酸球増加が観察されるにもかかわらず、非喘息性好酸球性気管支炎では気道過敏性の亢進がない病態、アトピー咳嗽は気管支拡張薬に反応しない病態と定義されています。アトピー咳嗽と非喘息性好酸球性気管支炎はアトピー素因を有する中年女性に多く、咽喉頭の掻痒感を伴う乾性咳嗽が特徴的です。咳が出る時間帯としては就寝時、深夜から早朝、起床時、早朝の順に多く、咳の誘因になるのはエアコン、タバコの煙(受動喫煙)、会話(電話)、運動などです。耳鼻科でいう喉頭アレルギーも同様の病態と考えられます。治療にはヒスタミンH1受容体拮抗薬や吸入ステロイド薬、麦門冬湯などの漢方薬が選択されます。
咳喘息とアトピー咳嗽の違いは、咳を誘発するメカニズムです。咳喘息では気管支平滑筋のわずかな収縮が平滑筋内の知覚神経を刺激して咳を誘発し、アトピー咳嗽では喉頭から気道にかけてのアレルギー性炎症によって咳感受性が過敏になっているために咳が誘発されます。咳喘息に有効な気管支拡張薬は咳感受性や咳中枢には抑制作用をもたないことから、アトピー咳嗽を含む咳嗽一般に対する鎮咳作用はありません。
これら好酸球性慢性咳嗽の診断には、喀痰中の好酸球増加に加え、高IgE値、アレルゲン特異的感作の存在や末梢血好酸球増多が参考になります。
クラリスロマイシン(抗生剤)を組み合わせて治療を行います。安定時の ..
もう1つ、非常に重要なのは体重を落とさないよう心がけることです。やせ方が激しい人ほど進行が速く、重症化しやすいことがわかっています。可能な範囲でしっかりと食べ、体型を維持します。食事制限は特にありません(ほかの病気は除く)。
また、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンも、接種しておいたほうが望ましいでしょう。
前述のように肺MAC症患者の性別や体型などに偏りがあることから、「なりやすい体質」について遺伝子レベルでの解明を目指す国際的な共同研究が始まっています。慶應大学を中心とした研究グループは肺MAC症患者と健常者のゲノム(遺伝情報)を解析・比較して、ある遺伝子の変異が発症リスクの高さと関連していることを明らかにしました。さらに研究が進めば、発症しやすい人や重症化しやすい人に狙いを絞った、よりきめ細かい治療や予防の方策が見つかることが期待されます。
治療の進歩に注目しつつ、「一病息災」のつもりで心にゆとりを持って人生を楽しみましょう。
ライター 平野 幸治
ペニシリンやクラリスロマイシンなど, 痰切り(去痰薬) 咳止め(鎮咳薬) 痛み ..
しかしながら、原因をいろいろ探してもよくわからない、いろいろな治療をしてもよくならないという難治性の慢性咳嗽が存在し、その割合は20~40%ともいわれます。そういう難治性の咳では、時に咳の感受性亢進が関係していることがわかってきました。
最初は何らかの原因によって咳が誘発されていたとしても、咳を繰り返すことで非特異的に咳の感受性が亢進してしまうといった機序が考えられています。もともとの咳の原因は治った後も、いったん咳の感受性が亢進してしまうと、それが一人歩きしてずっと咳をしている、ということになります。たとえば胃食道逆流症も、逆流している人の全員が咳をするわけではなく、咳の感受性が亢進しやすい人が慢性的な咳につながっていくことがわかってきました。後鼻漏の場合も後鼻漏の人が全て咳をするわけではなく、後鼻漏が咳受容体を刺激すると、感受性の高い人が咳をし始めその咳が慢性化していきます。喘息でも咳が出やすい人と出にくい人がいます。咳の出始めは些細な風邪かもしれませんし、花粉症や喉頭アレルギーかもしれませんが、咳が長引くかどうかは体質的に咳の感受性が亢進しやすい人と亢進しにくい人がいるからだと考えられるようになってきました。
咳の感受性亢進によって慢性咳嗽になると治療も厄介で、モルヒネが必要になることもあります。また、神経因性疼痛やてんかんに使用されるガバペンチンが効くこともあります。難治例においては咳の原因に対する治療だけでなく、亢進した咳嗽反射に対する治療も重要です。また、咳喘息や喘息でない慢性咳嗽においても、長期間の咳によって気道の好中球性・好酸球性炎症、気道のリモデリング、呼吸機能の低下が出現することが報告されています。興味深いことに、これらの非喘息性慢性咳嗽に対しても吸入ステロイド薬に一定の効果が報告されています。
特異的治療では、胃食道逆流があればプロトンポンプ阻害薬を使い、花粉症があれば抗ヒスタミン薬を使いますが、それだけでは治りきらない場合、最近は麦門冬湯や半夏厚朴湯などの漢方薬が使われることがあります。漢方薬の場合、体質や症状に合わせて投与しないと効果がありません。たとえば痰が切れにくく激しい咳が頻発するときには麦門冬湯、喉のあたりがかゆいときは半夏厚朴湯、タバコを吸っていて痰がからむときは清肺湯、水様性の鼻水がずっと出るときは小青竜湯といった具合に使い分けます。
なかなか咳が止まらない人には、今まで医師から冷たくあしらわれたりして医療不信に陥っている人が少なくありません。治療には医師や薬剤師さんと患者さんとの良好な関係が大切です。咳で困っている人がいたら、咳の症状を聞くだけでなく、「咳は大変ですね」と患者さんの辛さをやさしく受け止めてあげることが、長引く患者さんを診るうえでとても大事なことだと考えています。
抗ヒスタミン薬とクラリス少量持続療法を追加したところ、痰も改善した。 最終診断: 気管支喘息+副鼻腔炎、後鼻漏
マイコプラズマと百日咳は、どちらも咳が3週間以上続くことがある感染症です。家族や周囲の人が同じような咳をしている、職場でも同じような咳をしている人がいるといった情報があれば、感染症が疑われます。感染症もさすがに8週間を超えてくるとピークを過ぎて少し治まってくる場合が多く、臨床経過からも感染症が疑われます。感染症を疑ったときは、抗体の有無など、血液検査をして原因菌を調べます。
マイコプラズマは、市中肺炎の原因として高頻度に認められます。病原体は、マイコプラズマ・ニューモニア(Mycoplasma pneumoniae)という細胞に寄生する極めて小さな細菌です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原体によって感染(飛まつ感染)、あるいは病原体が付着した手で口や鼻に触れることによって感染(接触感染)します。マイコプラズマの早期診断には「マイコプラズマ抗原迅速診断キット」が主流となっています。綿棒で咽頭壁をこすり、ぬぐい液を採取し、診断キットでマイコプラズマ抗原の有無を判定します。インフルエンザなどではすでにお馴染みになっている迅速診断キットと同じように、特別な準備も必要なく、わずか15~20分で診断ができるため、外来受診時に受けることが出来るのが特徴です。治療にはマクロライド系の抗生剤を使用しますが、近年、マクロライド耐性のマイコプラズマが増えており、抗菌活性が強化されたニューキノロン系抗菌薬のレスピラトリーキノロン系も第一選択薬となります。
百日咳は特有の痙攣性咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症です。2006年頃から増加傾向にあり、とくに成人での発症が目立ちます。日本では1994年10月に百日咳ワクチンを含むDPT三種混合ワクチン接種(ジフテリア・百日咳・破傷風)が定期接種化されて以降、乳児期の発症は減っていますが、そのワクチンの効果が切れるころに成人で発症するためと考えられます。百日咳は一度始まると治まらない咳、咳がひどくて吐き気を伴う、夜も眠れない、などの強い自覚症状を訴えることが特徴です。治療ではマクロライド系抗生剤とコデインリン酸塩などの鎮咳薬を十分に使います。
注意が必要なのは、マイコプラズマも百日咳も人に感染するのは発症2~3週目ぐらいで、8週を過ぎていればもう感染性はなくなることです。したがって、咳はしていてもそのころにあわてて抗生剤を使う必要はなく、逆に生活の質を低下させないように十分な鎮咳薬を使って咳を止めることが大切になります。
キーワード:肺炎マイコプラズマ,クラリスロマイシン,気管支炎,感染性咳嗽,臨床試験 ..
百日咳は百日咳菌の感染により長期間咳が続きますが、咳喘息と異なり息を吸うときに独特の狭窄音が聞こえます。咳喘息では吐くときにピューという気管支狭窄音が聞こえます。百日咳の診断は喉をこすって細菌を培養したり、血液検査を2回行う必要があります。子供の百日咳は息を吸う時の音が「犬の遠吠え」様だったり、咳き込んで吐いてしまうなど特徴的であり、血液検査を行わずに診断できますが、成人の場合は症状がはっきりしないため、抗生物質を処方して効果を見ます(診断的治療)。抗生物質が無効の場合は咳喘息と考えます。