ミノタブを経口摂取すると、胃や腸などの消化管で吸収されたあと肝臓で代謝され、活性代謝物のミノキシジル硫酸塩となって全身の血管を巡ります。
葛根エキスとゲンチアナエキス配合液が硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現に効果があることがわかりました。この結果を治療に活かすために、葛根エキスとゲンチアナエキス配合液を主成分とした「Dクリニックオリジナル ミノキシジル補助剤 Dミノキブースター」の提供を各クリニックで開始いたしました。治療の効果を少しでもあげるべく、今後も研究に精進し、新しい治療を患者様にご提案できるように努めてまいります。
実際にミノキシジルを塗布してみると、わずかな量に感じられるかもしれませんが、それでも十分な効果が得られます。脱毛範囲が広い場合も1回あたりの使用量を守った上で、範囲を計算しながら塗布してみてください。
ローションタイプの塗り薬は垂れやすいため、少しずつ塗るのがコツです。ゲルタイプであれば、リキッドタイプのように患部から短時間で流れ落ちることなく、塗布した部位へ長い時間、滞留を確保することができます。脱毛部全体に治療薬がいきわたったら、頭皮を軽くマッサージします。
なお、使用中および使用直後は、火気を避けるようにしてください。もちろん、使用直後の喫煙も厳禁です。
5%ミノキシジルと葛根エキスおよびゲンチアナエキス配合液を塗布した群、5%ミノキシジルを塗布した群、コントロール(未処理)群における、硫酸転移酵素(SULT1A1)の遺伝子発現量を測定しました。5%ミノキシジルと葛根エキスおよびゲンチアナエキス配合液を塗布した群では、コントロール群と比較して硫酸転移酵素(SULT1A1)の遺伝子の発現量が5.7倍(p=0.0036)、5%ミノキシジルを塗布した群と比較すると3倍(p=0.019)有意に増加しました。
この結果から、葛根エキスとゲンチアナエキス配合液を塗布することで、塗布しない場合と比較して、硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現を増加させるということがわかりました。
硫酸塩不使用の製品は、余計な刺激から頭皮を守り健康な髪の成長を支えることが出来るのでおすすめです。 育毛剤を過剰に使用しない
ミノキシジルの使用により、女性において顔や身体の望まない部位での多毛症が生じることがあります。
ミノキシジルは高血圧治療用の血圧降下剤として開発されましたが、発毛作用が認められたため発毛剤の成分として転用されました。
ミノキシジルには血管を拡張させて血流を改善し、毛乳頭細胞に栄養を届けやすくさせる効果があると考えらえており、また、毛包に直接働きかけて、毛包の活動を活発化させる働きもあります。
ミノキシジルは、脱毛部位に直接塗布する外用薬です。塗布する際には、使用しているミノキシジルの用法・用量をよく守りましょう。
ここからは、ミノキシジルの歴史と効果、その使い方についてご紹介します。
しかし、この硫酸転移酵素(SULT1A1)は人によって、もっている量に差があることがわかっており、硫酸転移酵素(SULT1A1)の活性が高い人はミノキシジルによる発毛効果が高く、活性が低い人は発毛効果が低いということもわかっています※1。
そこで我々は、硫酸転移酵素(SULT1A1)の活性を高めることで、ミノキシジルによる発毛効果を最大化できるのではないかと考え研究を進めてきました。
血液は栄養や酸素などを乗せて全身を巡り、体のさまざまな器官に届ける役割をしています。しかし、血管が狭くなっていると血液の循環が滞るため、栄養や酸素が届きにくくなります。
ミノキシジルには血管を拡張させて血流を改善する作用があるため、栄養や酸素が髪の毛の成長に関与する毛乳頭細胞に届きやすくなります。そのため、高血圧患者に多毛症の副作用が発現したのです。
ミノキシジルには毛包の働きを活発にさせる作用もあります。1本の髪の毛は十分に成長した後、同じ毛穴から新毛に押し出されるように抜け落ちますが、脱毛症により毛包が不活発な状態だと、髪の毛を成長させる機能がほとんど失われているため新毛が成長できません。
ミノキシジルはそんな不活発な毛包に直接働きかけて、毛包の活動を再度活発化させるのです。このとき、毛包が不活発だったために新毛に押し出されずに頭皮から生えたままだった古い髪の毛が、新毛に押し出されるように抜け落ちます。この現象は初期脱毛と呼ばれており、ミノキシジルでの治療を始めて1カ月~2カ月の間によく起こります。
ミノキシジルの治療を開始してから抜け毛が増えたのを見て、治療に失敗したと治療を中断してしまう方もいます。しかし、初期脱毛はむしろミノキシジルの治療が成功している証拠でもあるため、心配せずに治療を継続することが大切です。
ミノキシジルは毛包に直接作用して、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進することによって、作用を示します。 ヘアケア剤の分類
ミノキシジルを塗布するだけでは、発毛効果は見られません。ミノキシジルに硫酸転移酵素が働くことで、ミノキシジル硫酸抱合体に変化し、髪の毛を生やす効果が得られます。
この硫酸転移酵素が多いと、ミノキシジルの発毛効果が高くなると考えられていることから、硫酸転移酵素を活性化させる成分について研究が進められています。
ミノキシジルは、毛乳頭細胞(髪の毛を生やすよう命令する細胞)に働きかけ、髪の毛を生やします。この毛乳頭細胞は、力を感じることで活性化されることがわかっており、マッサージによる発毛促進効果があるのではないかと研究が行われています。実際に、6か月間毎日頭皮の片方をマッサージしてみたところ、髪の毛が太くなったという結果も出ています。
マッサージで薄毛が治るとは今の時点では言えませんが、少なくとも髪の毛がフサフサの方の場合、マッサージをすることで髪の毛がより太くなるということが確認できました。
今後マッサージなどの振動圧刺激による薄毛治療ができるのではないかと、臨床試験の準備も進めています。