抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
副鼻腔で病原体が繁殖し、大量の鼻水(膿が混ざると黄色い鼻水になります)として、鼻から垂れ流れてくる状態を副鼻腔炎と呼びます。
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.1.1国内及び海外の第II相、第III相臨床試験(1)疾患別有効率
呼吸器感染症及び耳鼻咽喉科領域感染症患者を対象とした、1日1回400mg投与による国内及び海外の第II相、第III相臨床試験(二重盲検比較試験を含む)における疾患別の有効率は次表のとおりであった。--------------------------表開始--------------------------
疾患名国内海外(参考)有効例数/有効性評価対象例数有効率注4)(%)有効例数/有効性評価対象例数有効率注5)(%)
咽頭・喉頭炎17/2085.0-注6)-注6)扁桃炎注1)20/2195.2
急性気管支炎注2)21/2295.5肺炎細菌性肺炎227/23497.0467/50692.3
マイコプラズマ肺炎22/2210053/5498.1クラミジア肺炎12/1392.379/8395.2
レジオネラ肺炎0-6/875.0慢性呼吸器病変の二次感染注3)139/15888.0699/80486.9
中耳炎41/4787.2-注6)-注6)副鼻腔炎23/2592.0831/91191.2
注1)扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む。注2)クラミジア急性気管支炎1例を含む。
注3)国内:慢性気管支炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息、肺気腫、陳旧性肺結核、肺線維症等海外:慢性気管支炎注4)投与終了時の評価
注5)投与終了7日後の評価注6)本疾患を対象とした臨床試験は実施していない。
--------------------------表終了--------------------------(2)菌種別菌消失率
国内及び海外の第II相、第III相臨床試験(呼吸器感染症及び耳鼻咽喉科領域感染症を対象)より収集された、各菌種の菌消失率は次表のとおりであった。本剤の適応菌種に含まれるブドウ球菌属のMRSAについては国内で66.7%(2/3)、海外で87.5%(14/16)、ペニシリン耐性肺炎球菌については国内で100%(27/27)、海外で85.7%(12/14)、多剤耐性肺炎球菌については国内で100%(81/81)、海外で91.4%(32/35)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスのβ‐ラクタマーゼ産生菌については国内で100%(29/29)、海外で93.3%(125/134)、インフルエンザ菌のBLNARについては国内で100%(49/49)であった。[5.1参照]--------------------------表開始--------------------------
菌種・菌属国内海外(参考)消失株数/菌消失率評価株数菌消失率注7)(%)消失株数/菌消失率評価株数菌消失率注8)(%)
ブドウ球菌属53/5694.6226/24791.5MRSA2/366.714/1687.5
レンサ球菌属20/2010084/9588.4肺炎球菌122/122100304/32294.4
ペニシリン耐性肺炎球菌27/2710012/1485.7多剤耐性肺炎球菌注9)81/8110032/3591.4
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス32/32100140/15093.3β‐ラクタマーゼ産生菌29/29100125/13493.3
大腸菌0/0-40/4588.9クレブシエラ属9/1181.861/6791.0
エンテロバクター属2/210035/3794.6インフルエンザ菌111/11299.1234/24994.0
BLNAR49/49100--肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)8/81000/0-
注7)投与終了時の菌消失率注8)投与終了7日後の菌消失率
注9)多剤耐性肺炎球菌:キノロン耐性(レボフロキサシン:MIC≧8μg/mL)、β‐ラクタム耐性(セフロキシム:MIC≧2μg/mL)、マクロライド耐性(エリスロマイシン:MIC≧1μg/mL)、テトラサイクリン耐性(MIC≧8μg/mL)、トリメトプリム/スルファメトキサゾール耐性(MIC≧4/76μg/mL)のうち2剤以上に耐性--------------------------表終了--------------------------
飲み合わせについては、それぞれに注意点が異なります。特に電解質成分との相互作用に注意が必要で、クラビットはMg、Alを含む薬、ジェニナックはMg、Al、Ca、Fe、Znを含む薬と同時に飲むと、効果が弱くなってしまいます。そのため、クラビット服用後は1~2時間あけて、ジェニナック服用後は2時間以上あけてから、これらの薬を服用するように指導しましょう。
ジェニナック錠 200mg(一般名:メシル酸ガレノキサシン水和物)の活性本体で ..
つまり、9割(ウイルス)は抗生剤の有無にかかわらずに改善します。1割の方(細菌感染)は、抗生剤を飲めば24時間以内に改善していきますが、飲まなければ1週間以上苦しむ可能性があります。
副鼻腔は喉の奥ともつながっているため、のどの奥を鼻水が垂れ落ちてくる感じ、というのが副鼻腔炎の特徴的な所見です。昔は”蓄膿症”とも言いました。
口腔用ステロイド製剤(商品名:アフタッチ、アフターシール他)が処方されます。
口腔粘膜に貼り付ける錠剤やシールを歯科用貼付剤と呼びます。口内炎などによる潰瘍面を保護します。歯科用貼付剤を貼り付ける粘膜部位はしっかりと清掃してから貼付することが大切です。
血液の凝固を阻害する薬です。脳血管や心臓血管に障害があるときに出されています。血液が固まるときにそのシステムの何箇所かでVitaminKが必要なのですが腸管からの吸収を阻害します。VitaminKを静脈注射することで3-6時間で凝固が回復します。アスピリン(小児用バファリン)などと違ってコントロールしやすいので良く処方されています。 ところで腸内細菌もVitaminKを産生しています。抗菌剤は腸内細菌をやっつけますので、すべての抗菌剤は併用注意となっています。しかし短期間の投与ではそれほど影響はないと思います
カンピロバクター クラリスロマイシン経口(CAM)3~5 日間 ..
ジェニナックは、腎排泄・肝臓代謝型薬剤です。服用後24時間で34%が尿中未変化体として排出され、投与7日後までに尿中から41.8%、便中から45.8%排泄されます。腎臓からの排泄は少ないものの、高度腎障害がある場合は薬の量を減らすことが推奨されています。
3.5 プロセス・バリデーション / プロセス評価 (ジェニナック錠200mg,錠剤) ..
ジェニナックの適応症は、咽頭・喉頭炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器系疾患が主となっています。薬の体内分布をみると、副鼻腔粘膜、口蓋扁桃組織、中耳粘膜、肺実質、気管支粘膜には、血液中と同程度かそれ以上の濃度のジェニナックが移行しています。
クラビットの適応症は、皮膚疾患、呼吸器系疾患、泌尿器系疾患、消化器系疾患など幅広い疾患です。皮膚、唾液、口蓋扁桃、喀痰、前立腺、胆嚢、涙液、耳漏、上顎洞粘膜、女性性器へ高濃度の移行が見られます。
それぞれの薬の組織に対する移行性と抗菌作用の違いから、ジェニナックは呼吸器系疾患、クラビットは全身の感染症に効果がある薬剤として使用されています。
ジェニナック錠200mgの限定出荷長期化のお詫び; 2024/10/17フェルビナクスチック軟膏3 ..
急性副鼻腔炎は細菌感染のことがありますが、大半はウイルスです。ウイルスの場合には1~2週間で自然に治癒します。そこで、欧米のガイドラインでは、症状が 10 日間を超える場合や重症例の場合(39℃以上の発熱がある場合、膿性鼻汁や顔面痛が 3 日間以上続く場合)、症状が 5 日間以上続き、一度軽快してから悪化した場合に限定して抗生剤を投与するとしています。
【歩く肺炎】マイコプラズマって、いったいどんな病気? | 医師ブログ
細菌感染は体のいたるところで起こります。抗菌薬が効果を発揮するためには菌に対する強さに加えて、どの組織に移行して働くかも重要なポイントです。ジェニナックとクラビットが効果を発揮する臓器について考えてみましょう。
まず使われるのは「マクロライド系」の抗菌薬です(一般名で言うと「クラリスロマイシン ..
ジェニナックとクラビットは、日常診療でもよく処方される薬です。
クラビットは、膀胱炎、肺炎、腸炎など多くの病気で使用されています。
ジェニナックは、クラビットが効かない呼吸器疾患にも有効のため、耐性菌の発生を考えると最後の砦のような薬です。
どちらの薬剤も心臓、脳に対する副作用を持ち、腎機能低下の患者さんに投薬するときや相互作用に注意を払う必要があります。同じ分類の薬剤であっても、それぞれの特徴を比較しながら注意すべき点に留意して服薬指導に活かしましょう。
[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について
18.1作用機序
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVを阻害し、殺菌的に作用する。一方、真核細胞由来のトポイソメラーゼIIに対する阻害作用は弱く、細菌由来のII型トポイソメラーゼを選択的に阻害した。18.2抗菌作用
グラム陽性菌、グラム陰性菌及び非定型菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属(MRSAを含む)、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス(β‐ラクタマーゼ産生菌を含む)、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して強い抗菌活性を示した。特に、呼吸器感染症の原因菌であるペニシリン耐性肺炎球菌、多剤耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌に対して、強い抗菌活性を示した。[5.1参照]
クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg
自覚症状としては、副鼻腔が重い(顔面痛)、のどの奥を垂れ流れる鼻水などです。
B.2 肺炎 Hospital acquired pneumonia
患者さんが薬をちゃんと(決められた時間、回数、日数飲むかどうか=服用尊守 patient compliance)飲むかどうかは、その薬がの効果に大きな影響があります。
ジェニナック; アベロックス; オゼックス; シプロキサン; クラビット
しかし、副鼻腔炎ではない人でも、副鼻腔内に液体貯留があり、副鼻腔が重い人がかなり存在するといわれます。そのため、診断精度が一番高い所見は、医師の目から見て経験的に副鼻腔炎だろうと思う人、という漠然とした論文がアメリカで発表されています。つまり、どのような検査をしても、医師のカンに勝るものがなかったわけです。
グラム陽性球菌スペクトラムを強化したのがクラリスロマイシン、グラム ..
抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎と急性副鼻腔炎です。
クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「大正」に関する出荷停止の ..
一日一回2錠を3日間飲んで1週間薬が効いています。マクロライドの薬ですので代謝酵素のチトクロームP-4503A4(CPY3A4)の阻害作用があるはずですが、15員環のジスロマックの場合14員環クラリスなどに比べてその作用はかなり弱くp450による代謝は確認されていません。白血球などに取り込まれて炎症箇所の長くとどまるので、1週間効果があります。
なぜ抗生物質は飲みきらないといけないのか? | フラワー薬局通信
これだけ医療技術が発展しても、なお診断にいたるツールがなく、2週間治らなかったら薬を飲めばよい、というのが急性副鼻腔炎です。