[PDF] 小児手部マムシ咬傷に対して抗毒素血清投与と減張切開を行った 1 例
現在、われわれが入手可能な抗毒素は、人間ではなく馬の体内で作られており、副作用を引き起こす可能性が比較的高い。副作用は、発疹やかゆみなどの軽度のものからアナフィラキシー(全身のアレルギー反応)のような重度のものまである。また、抗毒素は値段も高い。英国の医学研究支援団体ウェルカムトラストの見積もりでは、抗毒素1瓶の価格は160ドル(約1万7500円)で、蛇の咬傷の治療には通常複数の瓶を要する。
タンパクの沈殿剤として用いられるタンニン酸の収斂作用がハブ毒も中和するということから、応急処置での洗浄に用いられた。局方のタンニン酸よりも渋柿から抽出したタンニン酸の方が中和力が高いという研究から、このタンニン酸溶液の応急処置キットが熱帯医学協会から販売されていた。マムシ咬傷治療では現在でもよく使用されているセファランチンが、ハブ咬傷でも当初は使用され、効果に関する研究報告がされていたが、1990年以降はほとんど見なくなり、治療においても使用されなくなった。
感染予防に広域スペクトルの抗生剤が投与されるが、ハブだけでなくヘビ咬傷による感染の報告はないため、不要だという報告もある。また、一般的に動物による咬傷では破傷風トキソイドが投与されるが、ハブ咬傷では破傷風発症の報告はない。海外を含めて動物咬傷による破傷風発症の報告はほとんどなく、ナイジェリアとタイでの毒蛇咬傷後に発症した報告がわずかにあるだけである。
そして今、ついに科学者らは、長い間無視されてきたこの研究分野に幹細胞研究やゲノムマッピングを適用し始めている。彼らは、21世紀の新しい抗毒素生成法が生まれ、最終的に毎年数十万人は無理でも、数千人の命は救いたいと考えている。
放すも「また、また… 」 スマホで調べたら、まさに”アンボイナ” 『インドコブラの37倍の猛毒、血清がない…沖縄などで死亡例』
抗毒素とは別に、咬傷による重症化を軽減するために、鹿児島では1970年以降一部地域の住民を対象にハブトキソイドの接種を行ってきた。しかし、その効果はあまり明確にはなっていない。現在では、医療機関の充実と緊急搬送体制の整備によって短時間で治療が受けられるようになったため、2002年以降トキソイドの接種は行われなくなった。
その他、EDTA液(キレート剤)による局所の洗浄や強心剤、アドレナリン、ブドウ糖リンゲル液が投与されていた。受傷部位の浸出液からヘビ毒が検出できることから、短時間で来院した場合には牙痕部に小切開を加え、吸引器で持続的に吸引することもあった。蛇毒中のタンパクが金属タンパクで、キレート剤によって活性が抑えられる作用もあることから、咬傷部位を切開し、EDTAで洗浄している。医師によっては、同時にテトラサイクリンによる洗浄が行われることもあった。
しかし、この抗毒素の生成法は面倒な上に、危険なのは言うまでもない。失敗が起こりやすく、骨が折れ、完成した血清が深刻な副作用をもたらす恐れもある。
まず蛇の毒を手で搾り出し、少量を馬などの動物に注射し、免疫反応を起こさせる。そして、その動物から採った血液を精製し、その蛇毒に効く抗体を抽出する。
1905年に沖縄、奄美で118名が血清療法を受けたが、それでも5名が死亡しているが、血清療法なしに比べると1/3であり、かなり効果を示したとしている。1935年頃より重症例では点滴静注も行われるようになったが、1960年代でも受傷部周辺に投与されることが多かった。
ただ、抗毒素があれば治療ができるわけではない。その時代は、交通の便が悪く、医療機関までかなり時間がかかること、抗毒素は液状であり、電気の届いていない地方では保管できないことなどの問題もあった。その後、1956年以降東京大学医科学研究所の沢井芳男らによって抗血清の精製や部分消化、凍結乾燥の研究が進められ、凍結乾燥抗毒素が開発され(1959年)、効力も保存性も向上した。そのため僻地でも抗毒素による治療が可能となり、致死率が1%まで低下した。さらに、1961年からハブの単価血清、1963年からマムシ単価血清が製造され始めた。
初期の抗毒素には抗体と関係のない不活性のタンパク質が含まれていたため、これらを分離精製して抗体部分のガンマグロブリン分画のみの抗毒素が製造されるようになった。不純物が取り除かれることで副反応は減少する。さらに、ペプシン消化によって分子量15万ほどのIgGは、抗原結合部分の分子量約11万のF(ab’)2とFc領域に分離され、抗毒素中80%がF(ab’)2、10%がIgG、10%がFcの断片となり、分子量が小さくなったことで体内からの排出nスピードが速くなっている。筋肉注射ではIgGは吸収も緩やかで、半減期が25日と長いが、F(ab’)2は組織浸透性が高く、半減期は9日と短くなっている。ウマの抗体は人にとってはもちろん異物であり、長く体内にあるほどウマの抗体に対する抗体が産生され、再度の投与により副反応は起こりやすくなる。ちなみにアメリカでは現在、パパイン消化によって分子量5万のFabとなった抗毒素CroFab(Crotalidae polyvalent immune fab)が製造されている。(図1)半減期はさらに短く15~23時間程度になっている。
毒ヘビに咬まれた場合、すぐに適切な量の抗毒素で治療すれば、ほとんどの場合助かります。 血清病
研究チームは、自分たちのマルチ血清を市販するときには、手頃な価格で容易に入手できるようにするつもりだと強調する。ラタナバナンクーン氏は言う。
のためのパンフレットの作成、 抗毒素血清の管理体制の整備計画を行った。 A.毒 ..
「私自身は、彼らの方法は好きですね。アジアの小さな国々では、めずらしいヘビによる咬傷を治療する方法がなくて困っていると聞きます。ラタナバナンクーン氏らの血清が実用化されれば、こうした国々の公衆衛生は大幅に向上するでしょう」とボイヤー氏。彼女は、タイの研究チームが、もっと多くの研究資金を獲得して、より大規模な比較対照試験を実施できるようになることを願っている。動物を使っての試験が終わったら、今度はヒトでの臨床試験だ。
コブラの咬傷による人体のヘビ毒を中和する機能するPT Bio Farma製のBioSave血清または抗ヘビ血清も製造しています。 ..
けれども彼女は、この研究は原理を証明したよい実験であり、ハイテク技術を駆使して合成抗毒血清を開発しようとする取り組みに比べると泥臭いが、より実用的なアプローチであるかもしれないと言う。
万が一、毒蛇に噛まれてしまった場合は、速やかに、付近の血清治療が行える医療機関を探し出すことができる。 ..
米アリゾナ大学VIPER研究所のレスリー・ボイヤー所長は、実験で作られた抗体の数は、血清の有効性の指標となるもので、なかなか立派な数字であるが、他の開発中の抗毒血清に比べて特に多くはないと言う。また、ラタナバナンクーン氏らの研究が小規模で、新しい血清による治療の結果を、伝統的な専用の血清による治療の結果と直接比較していない点は問題だと指摘する。
古くからハブやマムシは出血毒、コブラは神経毒と言われてきた。しかしこれまでの ..
沖縄、奄美地方ではハブによる咬傷は、昔から生活に深くかかわる非常に大きな問題であり、1980年でさえ毎年400人ほどが咬まれ数名が亡くなっている。駆除や様々な生活環境の改善により2020年には咬傷数は60名ほどまで減少し、抗毒素の使用により死亡に至ることはなくなった。
血清のライブラリー(リソース)化を完了させ、それを蛇に咬まれた時の抗毒血清 ..
研究チームは、この方法で、アジアとアフリカのコブラ科のすべてのヘビの毒に効く血清を作れるようになるだろうと考えている。(参考記事:)
血清または血清の部分精製抗体分画である。 抗毒抗体の科学的研究は、ヘンリー ..
ラタナバナンクーン氏が特に驚いたのは、この血清が、アフリカのエジプトとカメルーン原産のヘビの毒にも効いたことだった。これらはいずれもコブラの仲間なので、毒素も似ているせいかもしれない。
毒ヘビ(マムシ、ヤマカガシ、ハブ)、ニシキヘビ、ガラガラヘビなど、対処方法や血清などの話[Webセミナー][#96] ..
彼らの論文によると、こうして得られた血清を、ヘビ毒を注射したマウスに注射したところ、そのすべてが回復したという。さらに、この血清は、研究に用いた6種のヘビの毒だけでなく、類縁種の12種のヘビの毒にも効果があることが明らかになった。(参考記事:)
血清を投与された後は容体が回復。なお、テープで口を縛られたコブラはその後に死亡が確認され、死骸はTさんの家族に引き渡された。 PR
研究チームは、毒以外の成分を減らし、ヘビ毒の最も重要なタンパク質の濃度をあげることで、複数のヘビ毒に効く抗体の多い血清を一度に作れると考えたのだ。
【高校生物基礎】「血清療法の原理」 | 映像授業のTry IT (トライイット)
抗ヘビ毒血清の一般的な作製法では、致死量に満たないヘビ毒を天然のままの状態でウマに注射し、できてきた抗体を回収する。
ハブは、 近づいても逃げない場合があります が、人を追いかけません。 咬まれてから数時間たっても血清注射の効果 があります。
より多くの種類のヘビ毒に効く血清を開発するため、ラタナバナンクーン氏の研究チームは、アジアの主要な毒ヘビである4種のコブラと2種のアマガサヘビから12種類のヘビ毒のサンプルを採取した。
ひとつはマムシやハブを含む「クサリヘビ科」、もうひとつはご存知コブラの仲間「コブラ科」です。 ..
米国の農業や工業を支える五大湖に深刻な変化が起きています。特集「傷ついた五大湖」で詳しくレポートします。このほか、子守歌に魅せられた写真家が世界各地を取材した「時代と生きる子守歌」、後を絶たない毒ヘビ被害を取り上げる「命を奪うヘビの毒」など4本の特集を掲載。
神経毒性作用は、コブラ科(コブラ、マンバ、サンゴヘビ、およびオーストラリア ..
このたび、タイの科学者たちが、アジアとアフリカの18種のヘビの毒に効く抗毒血清を作る方法を発見したと、いわゆる「顧みられない熱帯病(neglected tropical disease)」の研究を扱う科学誌『PLOS Neglected Tropical Diseases』に研究成果を発表した。研究チームは、自分たちの血清は従来のものより安く、より広い範囲のヘビ毒に効果があるので、血清を最も必要とする貧しい地域にも供給できると主張している。(参考記事:)
命を奪うヘビの毒 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
また、アフリカには複数種のクサリヘビやコブラの毒に効く抗毒血清があり、現在はそれを使った治療が最も有効だ。しかし、報道によると、この血清の備蓄は2016年6月にも枯渇するという。血清の大半を製造していたフランスの製薬会社が、利益の出ない血清の生産をやめてしまったからである。