フォシーガ、心不全に関する新たなエビデンスをAHA2022で発表/AZ


SGLT2阻害薬は、心不全患者にとって有望な治療法の一つとされています。ただし、副作用として、尿路感染症や脱水症状が報告されているため、適切な患者選択と管理が必要です。他の薬剤との併用についても容量の調整が必要になることがあります。


心臓のポンプ機能の違いにより心不全は、左心室の収縮機能が低下したHFrEF〔ヘフレフ〕、左心室の収縮機能は保たれているが左心室の拡張機能が障害されているHFpEF〔ヘフペフ〕、HFrEF〔ヘフレフ〕とHEpEF〔ヘフペフ〕の中間のHFmrEF〔ヘフエムレフ〕の3つに分類されます。
HFpEF〔ヘフペフ〕は、近年増加してきており心不全患者の約半数を占めます。

心不全の薬物治療は、「予後の改善」と「症状の改善」の2 つの視点で行いますが、心臓のポンプ機能の違いによって、予後を改善するために使用する薬が違ってきます。
心臓のポンプ機能は、左心室から血液を駆出する能力を心臓エコー検査で測定することでわかります。

[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について

心不全を発症した慢性心不全の状態がステージC で、心不全の増悪を繰り返して治療が困難な状態(ステージD)になり、最期を迎えることになります。
急性心不全で初めて入院した後1 年以内に心不全で再入院する人は4 人に1 人とされており、急性増悪(急性心不全)を繰り返すと心不全が重症化するので、ステージC 以降は症状の改善や心不全の増悪を防ぎ、再入院しないようにすることが治療目標となり、終末期になるほど症状の軽減が重視されます。

ARNI(Angiotensin Receptor-Neprilysin Inhibitor)は、心不全の治療薬の一つで、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とネプリライシン阻害薬を組み合わせた薬剤です。ARBの効果に加え、ネプリライシンを阻害することで、心臓の線維化を抑制し、心不全の進行を遅らせる効果が期待されます。

ARNIは、従来のACE阻害薬やARBよりも、心不全の症状や合併症の改善効果が高いことが報告されています。今後はACE阻害薬/ARBからARNIへの切り替えが進むことが予想されます。

世界初、週1回タイプの血糖降下薬 ザファテックは2型糖尿病の方に対して使用できる世界初の週1回タイプの血糖降下薬です。 食事をして血糖値が高くなる時だけ、膵臓からのインスリン分泌を促します。 このタイプのお薬は低血糖や体…

世界初、週1回タイプの血糖降下薬 ザファテックは2型糖尿病の方に対して使用できる世界初の週1回タイプの血糖降下薬です。 食事をして血糖値が高くなる時だけ、膵臓からのインスリン分泌を促します。 このタイプのお薬は低血糖や体…


フォシーガ 慢性心不全 作用機序movie | ONO MEDICAL NAVI

前述のACE阻害薬/ARBと同様に、心臓の拡張や肥大を抑制する効果があります。

収縮能の低下した心不全に対してはACE阻害薬/ARB、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を可能な限り全て導入し、副作用のない範囲で最大容量を目指していくのが基本的な方針です。

心不全の治療薬は長らく新しいものが登場しませんでしたが、ここ数年で複数の新薬が登場し効果が実証されています。

この薬剤により心臓に備わっている利尿ホルモン(ナトリウム利尿ペプチド)を増やすことができ、心臓保護につながるという仕組みです。 ..

β遮断薬は心臓の交感神経を抑え、心臓への過剰な刺激を抑制します。心臓を休めて負荷を軽減し、心機能の維持・改善に働きます。「目に見えない治療」の代表です。心不全治療のキードラッグと言ってもいいですが、容量を増やしすぎると心拍出量が下がって低拍出症候群という非常に危険な状態となるため、患者さまに適した容量を見極めがとても重要です。代表的な薬剤としてカルベジロール、ビソプロロールがあります。

心臓を休ませて心臓を元気にします。 少ない量から始め、血圧・脈拍 ..

SGLT2阻害薬は、2型糖尿病の治療に用いられる薬剤ですが、最近では心不全の治療にも使用されるようになりました。SGLT2阻害薬は、腎臓のSGLT2(腎臓でグルコースを再吸収するトランスポーター)を阻害することで、尿中にグルコースを排泄する作用があります。そのため、血糖値を下げるだけでなく、体重の減少や血圧の低下、脂質代謝の改善など、多くの効果が報告されています。

心不全に対するSGLT2阻害薬は、心筋そのものを保護する効果、血圧を下げることで心臓の負担を減らす効果、腎機能を改善・維持することで心臓の負担を減らす効果があります。また利尿作用があるため、従来の利尿薬を減らすことができる症例があります。

フォシーガとは?(SGLT-2阻害薬:腎臓病の新しい治療薬として)

どちらも降圧薬の一種で、血管を拡張させ血圧を下げる効果があります。それに加えて心臓に負担をかけるアンジオテンシンIIという物質を抑制し、心臓の拡張や肥大を抑制する効果があります。「目に見えない治療」の代表です。代表的な薬剤としてACE阻害薬にはエナラプリル、イミダプリル、ARBにはテルミサルタン、バルサルタンなどがあります。

イラストで学ぶ医学!「心不全で腎機能が低下する理由とは?」心臓と腎臓の関係をわかりやすく解説!

当院では以下のメディアで腎臓病でお悩みの方向けの情報を配信しております。

無症候性心不全患者におけるSGLT2阻害薬ダパグリフロジンの心臓周囲脂肪減少 ..

心不全を発症する前の段階(リスクステージ)は、ステージA・Bが該当します。
ステージA・Bでは、心不全予防や心不全になるのを遅らせるために、心不全を引き起こす原因となる高血圧や糖尿病、動脈硬化症の要因となる高コレステロール血症などの脂質異常症をきちんと治療することが大切です。

心筋梗塞後の方や開心術後のような治療後の患者さんにおきましては、筋力が落ちないように心臓リハビリテーションを行っていきます。 ..

sGC刺激薬は心筋細胞内のcGMPという物質を増加させ、心不全の改善効果があります。cGMPは心筋の線維化・炎症などに対して抑制的に働き、心筋のリモデリングを防ぎます。既存の治療薬や新薬であるARNIに上乗せしても効果があることが示されています。

以前のブログ(慢性腎臓病の新しい治療薬 ~SGLT2阻害薬~)で、紹介しましたSGLT2阻害剤のダパグリフロジン(フォシーガ ..

フォシーガにより腎臓病の治療は格段に進歩したと考えており、当院でも積極的に使用しております。

コラランは、心臓のペースメーカー電流である過分極活性化陽イオン電流(If)を阻害することで、心臓 ..

心不全は適切な治療を行っていても徐々に進展し突然死することもあるので、心不全になってからの治療だけでなく、心不全にならないようにする治療も大切です。
そのため心不全の治療目標は、上の図のように心不全を発症する前の段階(リスクステージ)を含めた4つのステージに分けて考えるとわかりやすいです。

心臓は、全身へ血液を送るポンプのような働きをしています。そのポンプ機能が低下 ..

心臓への負担を軽減するため、塩分制限が最も重要です。一日6gの塩分制限が推奨されています。また適度な運動、禁煙も大切です。

心臓リハビリテーションで予後が良くなり、生活の質(QOL)が向上する

SGLT2阻害剤のフォシーガは「2型糖尿病」「1型糖尿病」に続き、2020年11月に「慢性心不全※」の効能・効果が追加承認されました。
本ムービーでは、フォシーガが慢性心不全※に対して影響すると考えられる、SGLT2阻害による腎臓への作用、血行力学的作用、心臓への作用のメカニズムを解説しています。ぜひ、ご覧ください。
※効能又は効果:慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

2019/8/31(土)-9/4(水)、パリにて開催中のヨーロッパ心臓病学会 ..

右心不全は、右心のポンプ機能に異常が生じることで起こります。血液の心臓への戻りが悪くなり、全身の静脈圧が上昇して血液が滞るため、特に下肢のむくみが現れます。
靴が履きにくいと感じるようになったり、むくみを押すと指のあとが残ったりします。胸やお腹に水が溜まることもあります。