(JPEC研修) 病態と薬理を理解して薬学的ケアを実践する-肺がん-


フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)は、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害する薬剤です。
SGLT2とは、腎臓の近位尿細管におけるグルコース(糖)の再吸収で重要な役割を担う輸送体です。フォシーガは、SGLT2を競合的かつ可逆的に阻害してグルコースの再吸収を抑制し、尿中グルコース排泄を促すことにより、血糖コントロールを改善します。
また、体液量の補正や血圧低下、血行動態の改善などさまざまな作用により、慢性心不全や慢性腎臓病を改善する効果も期待できます。
なお、「フォシーガ(forxiga)」という名称は、患者さまのため・患者さまの家族のため・医師のためを表す「for」と、inhibit glucose absorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字の「iga」を掛け合わせる(x)ことで、既存の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現しているそうです。


英アストラゼネカ社は3月30日、SGLT2阻害剤フォシーガ(一般名:)の慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした第3相DAPA-CKD試験について、早期に終了することを発表した。今回の発表は、同剤がプラセボに対して、試験開始当初の想定を上回る有効性を示したことに基づく、独立データモニタリング委員会の勧告によるものである。

小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。当社は、特に医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患およびスペシャリティ領域を創薬の重点研究領域として活動しています。詳細については、 をご覧ください。

DAPA-HF試験、非2型DMのHFrEFにもダパグリフロジンが有効/JAMA

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無を問わず、CKDステージ2から4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,245人のCKD患者を対象に、10mg投与による効果と安全性をプラセボと比較検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験。日本を含む世界21か国で実施された。主要複合評価項目は、CKD患者における腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生と定義。治験実施計画書およびDMC Charter(データモニタリング委員会の設置目的、役割や責任、運営手順の詳細を規定した文書)に記載してある中止(有効性)のガイドラインでは、有効性と安全性データの全体を評価し、データモニタリング委員会が試験開始当初の想定をはるかに上回る有効性による試験中止の勧告を検討するとしていた。

同社は、予定の通り進めていたフォシーガの有効性と安全性の検討の結果、フォシーガによる有益性が当初の想定よりも早期に示されたことから、今回、同試験を終了することを決定した。試験の詳細な結果は、今後の学会で発表される予定。また、同社は、予定を前倒しした申請について、各国の当局と協議を開始する。

フォシーガは、成人および10歳以上の小児(日本では成人にのみ承認)の2型糖尿病患者さんにおける、食事および運動療法の補助療法としての血糖コントロール改善を適応として承認されています。また、フォシーガは、第Ⅲ相DAPA-CKD試験の所見に基づき、成人におけるCKDの治療薬としても承認されています。

フォシーガは、2019年8月、米国食品医薬品局より、CKD患者の腎不全の進行遅延、心血管死ならびに腎不全による死亡の予防を目的とした開発に対し、ファストトラック指定されている。また、心不全の治療に対しては、米国食品医薬品局が優先審査品目に指定、欧州医薬品庁では薬事承認審査が進行中で、その他の地域でも同様の審査が進行中だ。なお、日本で承認されているフォシーガの適応症は「2型糖尿病」および「1型糖尿病」。現時点で、フォシーガにおいて、CKDおよび慢性腎不全の適応を取得している国および地域はない。


SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

CKDは、腎機能が低下することにより起こる重篤な進行性の疾患。腎機能の低下は、eGFRの低下、あるいは腎臓の障害を示唆する指標の変化、もしくはその両方が、最低3か月間認められた場合と定義される。CKDを発症するもっとも一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、糸球体腎炎。CKDは心血管疾患有病率と高い相関を持ち、心不全や若年死のような心血管イベントの発生を増加させる。CKDの最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となる。CKD患者の多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡している。

フォシーガ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者さんの治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第Ⅲ相試験です。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧を含むすべての併存疾患に対する各地域における標準治療]への追加治療として1日1回投与されました。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者さんを対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者さんが実薬群とプラセボ群に 無作為化されました。
主要複合評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間としました。重要な副次評価項目は、心不全イベントおよび心血管死の総数、8カ月時点でのKCCQの総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間などです。

今回の研究の目的は、アルブミン尿を合併した2型糖尿病患者さんを対象として,糖尿病治療薬であるSGLT2阻害

フォシーガは、2型糖尿病だけでなく1型糖尿病にも適応があり、慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも使用される薬剤です。血糖降下作用がインスリンに依存しないため、単独で用いる場合は低血糖の発生リスクが低いとされています。糖尿病の有無に関係なく左室駆出率の低下した慢性心不全に適しており、標準的な治療に追加することで予後の改善が期待できます。また、食事の影響を受けないため、食前でも食後でも服用できるという利点もあります。

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。 ..

“DAPA Care”は、フォシーガの心血管、腎、臓器保護作用を評価する一連の臨床プログラムです。終了済みおよび進行中の試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されており、フォシーガはこれまでに250万患者年以上に処方されています。またフォシーガは、現在、2型糖尿病合併の有無に関わらず、駆出率が保たれた心不全患者さんを対象として有効性を評価するDELIVER第Ⅲ相試験および急性心筋梗塞(MI)または心臓発作発症後の非2型糖尿病患者さんを対象とした第Ⅲ相DAPA-MI試験が進行中です。DAPA-MI試験は、この種の試験では初めてとなる適応症追加を目的としたレジストリに基づく無作為化比較対照試験です。

REIN試験,The Guangzhou試験,DAPA-CKD試験

フォシーガは、2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている場合に限る)、慢性腎臓病(末期腎不全または透析施行中の場合を除く)に適応があります。
効能効果ごとの用法用量は、以下のとおりです。

前者は若い人、後者は高齢者中心に行われている。 3つの大規模臨床試験でSGLT2阻害薬の心血管疾患抑制作用を確認

フォシーガは、米国において、成人2型糖尿病における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として承認され、また、第Ⅲ相 CVアウトカム試験の結果に基づき、標準治療への追加療法で、成人2型糖尿病における心不全入院および心血管死のリスク低下の適応 *を取得しています 12。また、フォシーガは第Ⅲ相 、第Ⅲ相 試験の結果に基づき、2型糖尿病合併の有無に関わらず、 、および として承認された最初のSGLT2阻害剤です 1,13

フォシーガ錠10mg|一般的な治療薬【臨床研究情報ポータルサイト】

2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用でHbA1cが平均で0.41~0.45低下したという結果が得られています。また、別の臨床試験では、長期間にわたって安定した血糖コントロールが得られたことが報告されています。
また、インスリンによる治療で血糖コントロールが十分にできていない1型糖尿病の方を対象とした試験では、インスリンとフォシーガの併用でHbA1cが平均で0.36~0.40低下したという結果が得られています。

フォシーガの糖尿病に対する臨床試験での効果を医師が解説します。 【1型糖尿病に対する臨床試験】

標準的な治療を受けている慢性心不全の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用で心不全関連イベント(心血管死、心不全圧下による入院など)が26%低下しました。
つまり、標準的な治療にフォシーガを追加することで、心不全悪化のリスクや死亡がおさえられ、生命予後が改善される可能性が示唆されたということになります。

以前のブログ(慢性腎臓病の新しい治療薬 ~SGLT2阻害薬~)で、紹介しましたSGLT2阻害剤のダパグリフロジン(フォシーガ ..

フォシーガ(ダパグリフロジン)は、1日1回、経口投与のファーストインクラスの選択的SGLT2阻害剤です。研究により、心腎疾患の予防および進展抑制、ならびに各臓器の保護に対するフォシーガの有効性が示され、心臓、腎臓および膵臓の臓器間の基本的な関連性を示す重要な知見が得られました 1,12,13。これらの臓器の一つでも損傷を受けると、他の臓器の機能低下を引き起こし、全世界で主要な死因となっている2型糖尿病、心不全およびCKDを含む疾患の発症につながります 14-16

社内資料:国際共同第III相試験-DAPA-CKD試験-(承認時評価資料) 本試験はAstraZenecaの資金提供を受けた

小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。当社は、特に医療ニーズの高いがんや免疫疾患、中枢神経疾患およびスペシャリティ領域を創薬の重点研究領域として活動しています。詳細については、 をご覧ください。