【超重要・厳重注意】 “クラリスロマイシン(CAM)”と併用禁忌の医薬品ラインナップ
CAMの非結核性抗酸菌に対する耐性基準またはブレイクポイントが設定されていれば,設定値を教えて下さい。【回答】
非定型抗酸菌に対するクラリスロマイシン (CAM) のブレイクポイントは現在のところ設定されていませんが,ある目安として微量液体希釈法でのMICが32 μg/ml以上を「耐性」と判定することもあるようです。CAMはMACの治療薬として使用されることが多いようですが,単独で使用されることはなく, CAMを主薬として2~3剤の併用で使用されます。また,MAC以外の非定型抗酸菌に対してもCAMは有効と言われています。しかし現時点では,非定型抗酸菌に対する保険適用がありません。
【追加質問】
お返事ありがとうございました。非結核性抗酸菌が検出されたら, 自動的にCAMの感受性試験を追加しようかとも考えていたのですが,その必要はないのでしょうか???
肺 complex(MAC)症の中心的治療薬であるクラリスロマイシン(CAM)の薬剤感受性と臨床背景との関連について検討した.CAM治療歴のない243例では1例を除き感受性であり治療前の感受性検査は通常不要と考えられた.CAM治療歴がある40例の検討では耐性17例,感受性23例であり,耐性例は全例単剤投与歴を認めたが感受性例でも8例に単剤投与歴を認めた.臨床病型で比較すると結節性気管支拡張(NB)型が耐性例では2/17例と少なく,一方感受性例ではNB型が16/23例と多数をしめ,NB型は耐性化しにくい傾向を認めた.NB型が耐性化しにくい要因として軽症例・少量投与例が多いため殺菌力が弱く耐性菌が選択されにくかったこと,感受性株の再感染によるクローン交代が考えられた.CAMの単剤投与は耐性化予防のため避けるべきだが少量投与例やNB型症例では耐性化が必ずしも誘導されないことが示唆された.
当院では外注で実施しています。【回答】
非定型抗酸菌に対してクラリスロマイシン (CAM) が単独で使用されることはないと思います。例えばMAC症の治療では,(CAM, AZMから1種類)+EB+(CPFX, SPFX, AMK, RPFから2種類)の組み合わせが使用されます。その点を踏まえて,薬剤感受性試験が必要であるか否かは, その施設の判断で決定されることをお勧めします。
M24第3版に準じる。この基準ではクラリスロマイシン(CAM)とア
百日咳の治療は, 小児呼吸器感染症診療ガイドライン20171)において, マクロライド系抗菌薬であるエリスロマイシン(erythromycin:EM)14日間, クラリスロマイシン(clarithromycin:CAM)7日間, またはアジスロマイシン(azithromycin:AZM)5日間の投与が推奨されている。2019年11月, われわれは百日咳症例に対するCAM8日間投与後に症状再燃と菌再分離を呈した1か月児を経験した2)。
患児は日齢31の女児で, 日齢28(第1病日)からの咳嗽を主訴に受診し, チアノーゼを伴う痙咳と無呼吸発作のため入院した。体温36.6℃, 酸素飽和度99%(室内気), その他理学所見に異常なし。入院当日, 後鼻腔ぬぐい液から百日咳菌(Bordetella pertussis)DNAが検出され, CAM 15mg/kg/日の経口投与を開始した。後日, 同検体から百日咳菌も分離された。入院中, 呼吸補助は要さなかった。無呼吸発作の消失をみて第10病日に退院し, CAMは計8日間投与した。
PT-IgG抗体価が第9病日においても10 EU/mL未満であり, 百日咳IgMとIgA抗体価が上昇しなかったことは, 免疫発達の未熟性を反映するものと思われた。このような抗体産生の遅延を伴う低月齢乳児に対しては, 治療期間が長いエビデンスのある抗菌薬を選択することで, 除菌確率を上昇させるとともに再感染リスクを軽減できる可能性がある。
日本語
重症敗血症患者におけるクラリスロマイシン(CAM)の抗炎症作用と免疫賦活効果に関する研究