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治療は抗菌薬投与による原因療法が基本であるが、Mycoplasma pneumoniaeは細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬には感受性はない。これまでは蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっており(IASR速報:、IASR特集:マイコプラズマ肺炎)、近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあり、特に小児
科の臨床現場に対する影響が懸念される。


治療は抗菌薬投与による原因療法が基本であるが、Mycoplasma pneumoniaeは細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬には感受性はない。これまでは蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっており(IASR速報:、IASR特集:マイコプラズマ肺炎)、近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあり、特に小児科の臨床現場に対する影響が懸念される。

咳を引き起こす神経への影響を抑えられると咳を減らせる可能性が高く、近日難治性の咳に対して発売される予定の薬が効果があるかもしれません(新型コロナウイルス感染後の咳に対して処方できるとは限らないのですが)。

[PDF] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 ..

風間教授は、肥満細胞の脱顆粒現象(エキソサイトーシス)を電気生理学的な膜容量の増加として捉え、それを抑える薬の作用を明らかにする独自の手法を開発してきました。これにより、日常診療の中で多くの患者さんたちに使われている抗アレルギー薬(オロパタジンなど)や抗生物質(クラリスロマイシンなど)、ステロイド薬(デキサメタゾンなど)の中に、強力に肥満細胞の活動性を抑える薬があることを発見してきました【図4】。これらの薬は、安全性が十分に確かめられているので、副作用を心配することなく、今後、実臨床への応用が期待できる可能性があります。



マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ()を病原体とする呼吸器感染症である。感染経路としては、飛沫感染による経気道感染や、接触感染によって伝播すると言われている。保育施設、幼稚園、学校などの集団生活施設内や家庭などでの感染伝播はみられるが、短時間の曝露による感染拡大の可能性はそれほど高くはなく、学校等では友人間などの濃厚接触による感染が重要であるといわれている。潜伏期間は2~3週間とインフルエンザやRSウイルス感染症等の他の小児を中心に大きく流行する呼吸器疾患と比べて長く、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などである。本症の特徴的な症状である咳は、初発症状発現後3~5日より始まることが多く、乾性の咳が経過に従って徐々に増強し、解熱後も長期にわたって(3~4週間)持続する。かつては「異型肺炎」として、肺炎にしては元気で一般状態も悪くないことが特徴であるとされてきたが、重症肺炎となることもあり、胸水が貯留することもそれほど珍しくはない。

診断には特異的IgM抗体迅速検出キットが開発され、臨床現場において活用されてきているが、幼児、学童の初回感染例では発病1週間以内では陰性を示すことが多く、また単一血清で高い抗体価であっても感染の既往を示している可能性を否定できない。最近は、PCR法やLAMP法による遺伝子検出が次第に多くの検査機関で実施されるようになってきている。

治療は抗菌薬投与による原因療法が基本であるが、 は細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬には感受性はない。これまでは蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっており(IASR速報:、IASR特集:マイコプラズマ肺炎)、近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあり、特に小児科の臨床現場に対する影響が懸念される。

マイコプラズマ肺炎は、かつては、他の病原体によるものも含まれる「異型肺炎」として発生動向調査が実施されていたが、1999年4月の感染症法改正により、現在の病原体診断に基づく調査となった。現在、マイコプラズマ肺炎のサーベイランスは全国約500カ所の基幹定点医療機関(2次医療圏域毎に1カ所以上設定された、300人以上収容する施設を有する病院)からの報告に基づいている。

2012年第21週のマイコプラズマ肺炎の基幹定点からの定点当たり報告数は0.95(報告数442)となり、3週連続して増加が認められた(図1)。第21週の定点当たり報告数を都道府県別にみると、愛知県(2.85)、青森県(2.83)、石川県(2.80)、宮城県(2.33)、栃木県(2.29)、岩手県(2.00)、埼玉県(1.89)の順となっている。30都道府県で前週より増加がみられた(図2)

2012年第1~21週の定点当たり累積報告数は16.98(累積報告数7,897)であり、年齢群別では5~9歳30.6%、0~4歳30.3%、10~14歳17.7%、20~39歳8.1%、60歳以上6.6%の順となっている。2002年以降では、0~4歳の報告割合が最多を占めてきたが、2012年は5~9歳が0~4歳をやや上回っており、また10~14歳、60歳以上の年齢群からの報告割合も例年と比べて高くなっている(図3)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含むウイルス感染症には、抗菌薬が無効であるにもかかわらず、抗菌薬が処方されている実態が報告されている。ただし、抗菌薬処方に関連する医師や患者の特徴については明らかになっていない。そこで、東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士氏らは、本邦の一般開業医を対象としたデータベース(Japan Medical Data Survey:JAMDAS)を用いて、COVID-19の外来受診データを分析した。その結果、本邦の新型コロナのプライマリケアにおいて、抗菌薬の処方は少数の診療所に集中していた。また、60歳以上の医師は抗菌薬の処方が多かった。本研究結果は、JAMA Network Open誌2023年7月25日号のリサーチレターで報告された。

2020年4月1日~2023年2月28日の期間において、継続観察された843診療所の新型コロナの外来受診データ(JAMDAS)を分析し、抗菌薬処方の傾向について検討した。ロジスティック回帰モデル(月と都道府県で調整)を用いて、患者特性(性、年齢、合併症の有無)や医師特性(性、年齢)と抗菌薬処方の関連を調べた。なお、抗菌薬の処方が適切である可能性のある疾患の診断を有する患者の受診データは除外した。

JAMDASを用いて新型コロナの抗菌薬処方の傾向について検討した主な結果は以下のとおり。

・COVID-19患者52万8,676例(年齢中央値33歳[四分位範囲:15~49]、女性51.6%)のうち、4万7,329例(9.0%)に抗菌薬が処方された。
・新型コロナで最も多く処方された抗菌薬は、クラリスロマイシン(25.1%)であった。次いで、セフカペン(19.9%)、セフジトレン(10.2%)、レボフロキサシン(9.9%)、アモキシシリン(9.4%)の順に多かった。
・新型コロナの抗菌薬処方絶対数の上位10%の診療所で、全体の処方数の85.2%を占めていた。
・新型コロナの抗菌薬処方絶対数の上位10%の診療所における抗菌薬の平均処方率が29.0%であったのに対し、残りの90%の診療所における抗菌薬の平均処方率は1.9%であった。
・医師が新型コロナに抗菌薬を処方する割合は、44歳以下の医師と比較して、60歳以上の医師で高かった(調整オッズ比[aOR]:2.38、95%信頼区間[CI]:1.19~4.47、p=0.03)。医師の性別によって、抗菌薬の処方に違いはなかった。
・新型コロナ患者が抗菌薬を処方される割合は、18歳未満の患者と比較して、18~39歳(aOR:1.69、95%CI:1.37~2.09、p<0.001)および40~64歳(aOR:1.36、95%CI:1.11~1.66、p=0.01)の患者で高かった。
・併存疾患のない新型コロナ患者と比較して、併存疾患を有する患者は抗菌薬を処方される割合が高かった(aOR:1.48、95%CI:1.09~2.00、p=0.03)。

本研究結果について、著者らは「本研究の限界として、患者の重症度など、未測定の交絡因子の影響を十分に考慮できないこと、JAMDASに含まれない診療所などへの一般化可能性には限界があることなどが挙げられる」としたうえで、「本研究結果は、抗菌薬の適正使用促進の取り組みに役立つ可能性がある」とまとめた。